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◆ プラストキノンの酸化は、どのような意味をもつか?
植物の日焼けの項でお話しましたように、葉緑体が吸収した光エネルギーが光合成に利用されないと、光エネルギーがチラコイド膜に蓄積した状況に至ります。このような状況では、光化学系II (PSII)で水の光酸化の結果生成した電子が光合成電子伝達系に蓄積しています。つまり、プラストキノン(PQ)が還元された状況です。
還元型PQの蓄積は、PSII反応中心の電荷分離を抑制するわけですからPSIIでの活性酸素生成に至るわけですね。そして、これはPSIIタンパク質の損傷をもたらします。
PQへの電子蓄積が、PSII光障害の促進に至ることは、2003年にPlant Cell Physiologyに報告しております。
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